2014-01-01から1年間の記事一覧

ドーナツ、コール

コール。 眠りかけた私の耳元に鳴り響いた、控えめな呼び出し音に頭を上げる。 ずれてしまっていたヘッドセットマイクを調整する。よし。 応答。 「はい。こちら自殺ストップセンターです」

ウィリアム・ケントリッジの「memo」について

原美術館ARCにて展示されていた、 ウィリアム・ケントリッジの「memo」という3分ほどの映像作品を鑑賞した。 実写とアニメーションを組み合わせたもので、端的に言うとインクが動く。 自分の走り書きや、何か書き留めておいたものが紙の中で動き出したり、絵…

疲れるほど死んでるんだ

自分がおかしいのか相手がおかしいのか定かでないが、 「さっき、首がありえない方向に曲がってましたよ」と指摘されて、いや、そんなはずはないだろう、でも、どうなんだろう、自分の身体も、この人の精神も、どっちも信用ならない、困ったな、と悩まなくて…

ブログを短く簡潔にする練習

たばこを吸えないのにたばこ輸入販売店を経営するのは面白そう。 喫煙者の人に味見をしてもらって、 「これこれこんな味だよ、仕入れよう」 「ふーん、ぜんぜんわからん」 「てめえ」 と怒らせながら仕入れていく。 通関士は任せてくれ。君は洋モクを頼む。 …

灰クリーム

2014/05/24(土) 今日はSさんとBさんと一緒にスタジオへ行った。 Sさんがギター、Bさんがベース、私がドラムだ。 ドラムを叩くのは久しぶりのことだった。事前にスコアのコピーを渡されていたものの見ていてもまるでイメージが掴めずに、結局当日になって初め…

この回線の向こうに誰がいようと

間違い電話が掛かってくる。二ヶ月ほど前からだ。 ナントカ住宅というところから、Yさんのお宅ですか、水漏れの件ですが、という要件で、何度も何度もかかってくる。 その都度「私はYさんではないですしナントカ住宅さんは存じ上げませんよ。番号が間違って…

三角形の世界

貧しい人が貧しいまま生きていけるのが豊かさだとして、そういう豊かさは嫌だ。と発言したとする。 この場合、何に対して嫌だと感じているか、を、聴者にどう捉えられるのかを考える。 そういう豊かさは嫌だ、と言っているので、例えば「貧しい人が貧しいま…

5億円ゲイザー

映画「インセプション」のパンフレットのデザインがお気に入りで、映画本編を見ていた時間より、パンフレットを読んだり眺めたりしていた時間のほうが長い。表紙は上空から街を見下ろした俯瞰の構図なんだけど、上空から街を撮った写真や映像というのを、私…

サンドイッチぜんぶ食うなバカ

コミティアと文フリに行ってきた。行けなくなる寸前だった。行けたと言えるんだろうか。 元陸上部(幽霊部員)の意地で全力疾走したけど、そんな数秒の差でどうにかなるような遅刻ではなく盛大なヤツをやらかして、コミティア会場に入ったらすでに撤収が始まっ…

「四月馬鹿達の宴」「はてしない物語」「ばいばい、アース」

読み物として面白いかどうか、より、書き物として面白いかどうか、書くにあたって自分が楽しんで書けるかどうか、に重きを置いている。それ以外を何も重視していないとも言える。 だから楽しく書けない内容とか、ただ何があったかを書くだけ、というのが本当…

文字が書けなくなってきた

文字を書こうとしたときに思うように書けず、よくわからない形の文字がそこに生まれてしまうと、強い忌避感でうわあっとペンを投げ出し机を蹴飛ばして逃げそうになる。 虫。虫が身体を這い上がってくるような、ぞわぞわとした不気味な寒気。 それは文字に、…

竜宮城の話をしよう

海底に鎮座する絢爛豪華な宮殿。大方の竜宮城のイメージはこんなものではないだろうか。しかし今日はそれとは違った竜宮城の姿を語っていこう。 竜宮城は透明な膜だ。海底を覆い尽くす、アミノ酸や塩を主成分とする透明な膜。それは粘菌のようなネットワーク…

何事もすみやかに

遅い。何もかもが遅い。 目が覚めてからベッドの上で2時間近くは動けない。顔を洗うのも歯をみがくのも遅い。朝ごはんはゆっくり食べる。着替えも遅い。歩くのも遅い。道に迷う。道草をする。どこへ向かっていたかも忘れがちだ。完全なる痴呆である。 Twitte…

体調が悪い

体調が悪い。だいたい常にそうなのにわざわざ体調が悪いと明言しているのは特段に体調が悪いからだ。 しかし体調の悪さに押しつぶされるように沈黙していると気が滅入る性分なので何か無理矢理にでも楽しいことを考えていこう。 全身に切手を貼られたことで…

角地の小さなマッチ箱

家を買った。角地の小さなマッチ箱のような、ささやかな家だ。バカなことをしたと思う。1990年。わざわざ値上がりしているときに買う必要はまったくなかったと言っていい。前に住んでいた家も値上がりしていたので、それを売って手に入ったまとまった額を、…

絵を描きたいだけの一秒

集中力や知性や根性を獲得するのを怠ってきた私の生涯が全力で私を追い詰めている。ライトノベルのタイトルのような構文でおちゃらけてみても何一つ面白くない。集中力が欲しい。集中したい事柄以外のことでドーパミンを使いすぎていて、依存先と楽しみの多…

お腹からっぽのほうが そば詰め込める

飢える経験に飢える、というのを意識する機会があって、最近たまに考えている。 飢え、不足が経験として蓄積されるのは、それが解決されるべき問題として自分の前にあり、速やかに解決されず、なんらかの障害として停滞していた時期を通過して、やっと「あれ…

ブログを毎日更新するためのネタがない

ブログを更新するのってそもそもネタというほどの確固たるものが必要なんでしょうか。 太古の昔、目覚まし時計のスヌーズが何度も鳴ってついに鳴り止んでいたらしい。そのくらいの感覚で目が覚めて、一日はどこにもない。ネタもない。一日があっての物種。 …

さよならの対義語ってなんだ

使用頻度が多い言葉なのに、それと対をなす言葉がなんなのか知らない言葉が多くて、考えあぐねる機会が頻発するのだけど、私にとって一番深刻なのは恐らく「さよなら」だ。 さよならではない呼びかけ、挨拶、状態、というのが、どうにも全部しっくりこない。…

夢日記を3分で書く

夢の内容を覚えていることが多いので、それを完結に手短にさらさらとまとめて書き起こすことで何かの訓練をした気になりたい。 いったい何の訓練なんだ。 私は街の中心を通る道路の幅を広げるために用地買収を進めるべく下見をしていた。最近この街では連続…

具体性の無さを活用していきたい

どうにも埒があかなくて困る。 なんの埒があかないのか自分で把握できていないほどに具体性がなくて困る。 本当に困っているんだろうか? こういう漠然とした、あてどないモヤモヤを、下手に自分の扱いやすい言葉にしてしまうことで、やらなくていい規定をし…

日記を書かない理由を考えた

あれこれ前置きをしてどう結論づけたかの導入は放棄して、気づいたことだけを書くと、 私は日常での出来事を過小評価して「出来事のうちに入らない」とほぼ無意識のうちに自分の生活の記憶から除外している。 日記を書こうとしても何も思いつかないのはこれ…