絵を描きたいだけの一秒

 集中力や知性や根性を獲得するのを怠ってきた私の生涯が全力で私を追い詰めている。ライトノベルのタイトルのような構文でおちゃらけてみても何一つ面白くない。集中力が欲しい。集中したい事柄以外のことでドーパミンを使いすぎていて、依存先と楽しみの多さ故にやりたいことに向き合うための時間が消え失せている。

 

 一秒。一秒だ。集中力は保たない。一秒で強く「絵を描きたい」と思って、描かないまま忘れる。それでも一秒を小刻みに繰り返して、まるで50mトラックを全力疾走するようなペースの走りを何度も何度も継ぎ足してフルマラソンを走り切るような、ペース配分もへったくれもないやり方で、絵を描いていく。他に何があるんだよ?

 

 線を引くときの手の動かし方の基本を初めて知ったので覚書をしておく。

線を描くには3つの手の動かし方がある。

指先だけを動かすストローク。線の入り抜き、太さ細さの強弱はつけやすいが、直線や曲線を綺麗に引きたい場合はブレが生じやすい。

手首を動かすストローク。前述の指先のストロークを封じるように指先をしっかり固めて線を引くことで正確な線が引きやすく、入り抜きの時や強弱をつけたいときだけ指を解放することで、より様々な状況に対応しやすい。

肘を動かすストローク。前述のふたつを使わずに肘の動きだけで線を引くと非常に綺麗な線が引ける。書道での腕の動かし方に近い。そこから先は必要に応じて指先と手首も組み合わせていく。

まず最初に肘を動かして線を引く練習をしたほうが良いとのことだった。意識的に使わない限り、ほとんどの場合が指先だけで描いてしまう。指先だけで描くのが一番難しいので練習には向かない。