『のこぎり』

世界が向こうからまっすぐこちらにやってきて

ぶつかる

飢えた絵描きが

義心を持てど

つちくれと瓦礫に

無力なのは俺一人か

お前たちもなのか

埋もれた身体に

届かなかった腕が

いま

身勝手に

風景を選んで

誰を諭そうとする

傲慢

俺には

ふるえるものがあったはずだ