『約束』

くだらない夜が輝いて 僕はこっそり言葉を覚えた 消えない丸で囲まれた 二度と来ることない記念日

『のこぎり』

世界が向こうからまっすぐこちらにやってきて ぶつかる 飢えた絵描きが 義心を持てど つちくれと瓦礫に 尸 無力なのは俺一人か お前たちもなのか 埋もれた身体に 届かなかった腕が いま 身勝手に 風景を選んで 誰を諭そうとする 傲慢 俺には ふるえるものが…

『だから今』

うらみごとじゃはじまらない きれいごとじゃおわれない はいいろのくさったことばを くさったままで ここにおく いったいなにがくるしみであったか いったいなにがよろこびであったか おもいだせるようでいて ひとつも

つがいの不意

チケットで近所に向かってる 声が舞う日々 退屈だったりしてる 泣きそうになって 素晴らしい転倒に それはないだろう光を探す 飛び越した形容 枕 円筒形の腐ってる線路 降りてくる ほとんど白くなってしまった危険は 戻れなくなるのを知ってて さようなら と…

わるくなる

三叉路に立っている 裸婦 曳かれていく船の傾きを指差して あんなのは国じゃないと 裸婦 三叉路から歩き出す 街の半分くらいは彼女の敵だったけれど それでも街を通りすぎる 廃バスの中に飼われて 眠って 味の薄い果物の薄皮が剥けて 微笑んでいる たばこの…

ふら値

素敵すぎる夢みちゃった 繋がりは罰 そう なんでも襲いかかって 帳尻を合わせる 聞こえていたいのは針の回らなくなってしまった あれそれやこれ 食道に引っかかって光りだす なにもかもを 流し込んでくれる夢を 白い凹凸が唾液を乗せてる 氷と一緒に 溶けな…