最近の短歌まとめ(2012年11月~2013年1月頃)

犬に待てを教える子 沿線のマンションならびに夕焼け禁止

 

物心つくまで5秒そんなとき坂の上から手を振っていた

 

感傷、10代の戦争、盗品を売りに行く道を西日が

 

カウンターでコーヒーいっぱいこぼしてる女の子射す陽光ぬるく

 

白黒の砂糖を混ぜる灰色の朝に指を鳴らすな阿呆

 

天使のくせに笑ってんじゃねえよ スタンドプレー目立つ少女うなずく

 

てのひらがつるつるだった仕方ない仏像だから反応しない

 

次回『あいでんてぃてぃほうかいのきき!』何も見えなくたって楽しみ

 

キオスクに特殊部隊が現れて みんなでガムを買ってばいばい

 

くつひもが全力疾走ほどけてく大気は耳を奪って逃げる

 

いくつかの嘘とび越えて朝は死ぬだいだらぼっちと一緒に死ぬよ

 

さよならは駅 助手席に猫 あなたがあなたを振り落とすまで

 

どうしようもない今日を毎日をセレブレイション、靴を集めて

 

コンパクトデジタルカメラのシャッター「」傾いたのは誰だったのか

 

あ明日がなくなってて たずねるるパリは燃えているのかなんて

 

ちいさくてやけにきれいだったからビー玉を割る たくさんの夏

 

俺達のラインマーカーをゆるして 壁に沿って みなは進んで

 

報復を恐れよ殺せもろびとを殺されたくなければ***きみは

 

何度でも蘇る(そう決めたから)風船は飛ぶ 空気と空気

 

ピーナッツを投げて口でキャッチする 明日のことは曖昧になる

 

燃えている風船を(どこまで飛ぶか)ページめくるまで覚えとく

 

映画では助けを待ってる老人が落ちてくだけの傘の骨なみ

 

工員を巻き込んできた歴史ある印刷機うるさい重いさよなら

 

天窓から連れていってと頼んだら缶詰天使 皮膚は消えてく

 

仮想敵でも愛してるなら関係なくない?廃墟で虹の名残を見つける

 

生きるため仕方なかったふりをする お前は地獄のポストイット

 

おもちゃ箱の中に犯罪都市きずいてる迷い込んでる 始終あほらし

 

明日から地下鉄のない国へ行く いつか地下鉄ができてしまう

 

見ろ!そこにスーパーマン やばい 義務教育を受けに来たんだ

 

海岸に並ぶピアノは消波線 踏まれるペダル ボロの朝焼け

 

木の上の枝の先の落ちそうな葉の裏に巣食う虫々が好き

 

きみはこの黄金のハムスターを生きろ ハムスターがきみを務めます

 

「あけましておめでとうご」を書き切らず道頓堀に沈むスマホは

 

薬局を通り過ぎてくバスを※※なんてことない記憶は走る

 

生きるため仕方がないさ墓あばく少年たちを後ろから押す

 

「寒いね」と話しかければソ連にて塵を覗いて人々いつも

 

銀色の靴を鳴らせ!大使は祈ってる 秒読みで細胞が飛ぶ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私はひらがな大好きなの??朝とか日光とか天使とか風船とかそんなに好きなの???なにそれ…私ってば超かわいいじゃん…と思いながらまとめました。短歌じゃなく散文でやってろ!と怒られそうですが散文はできないのでお手軽に短歌で済ませてしまったかな、という後悔と自責の念があって短歌に対して申し訳ない気持ちでいっぱいです。でも短歌を詠むのはすごく楽しいです。何もできずに鬱々と暮らしていく中で短歌を詠むのだけが「何かをした」感覚があって救いになります。でも何かをしたうちに入らないな、とも思うし、救いなんていう陳腐でありふれたものを短歌に求めるな!そういうかたちで享受するな!救われたかったら戸塚ヨットスクールに行け!という反省もあります。戸塚ヨットスクールはとても怖いところです。短歌は怖くない。コワクナイヨ。

私がこの冬に満たされた世界に溢れる怖いものたちから逃げて逃げて物陰に隠れて怯え震えながら吐いた白い息としての短歌でした。次のまとめの季節は春になるので、春に向けての短歌は、怖いものへと立ち向かっていく雄叫びにしたいと思います。春闘だ!(春闘の意味よく知らない)。春は戦いが始まる季節です。戦いに備えている短歌でもあったと思いたいです。ちなみに夏のまとめで凱旋する予定です。勇気を出して短歌を詠もう。短歌を詠む以外の勇気も出そう。がんばろう自分。逃げたいけど逃げるのにも体力がいる。体力もつけておこう。というわけで河原を走ってくるのでここらでおいとまします。(このあたりがTwitter構文っぽいと思うけどTwitter構文っぽさが伝わってるのかどうか不安)。

再見了!