私の考えた最高に面白いラノベの設定

・タイトル『四月馬鹿大戦』

 

・あらすじ

西暦20XX年4月1日。その日を境に世界は激変した。

「エイプリルフールに吐いた嘘は実現しなくなる」というジンクスが、絶対的な物理法則として作用するようになったのだ。

あらゆる因果と確率をねじ曲げて、その始まりの日に人々が口にした嘘は、未来永劫、嘘であることを宿命付けられた。

人々はその始まりの日、4月1日を、最後の真実(the prime)と呼ぶ。

 

・主人公

無職。

始まりの日に吐いた嘘は「俺内定出たんだぜ!」と「就職決まった!」。

考えなしに吐いた嘘が彼の一生を棒に振ることになってしまった悲しい人。

だが彼の嘘は彼が就職できないことに留まらず、「運命や将来が決定されない」という因果律を彼にもたらしている、というのは終盤で出てくる裏設定。

普通の人なのにあらゆる大災害や戦闘に巻き込まれても偶然生き残っている。何をどう頑張っても就職できないのでやさぐれているため、重度のアル中。

 

・ヒロイン

大学院生。

始まりの日に吐いた嘘は「彼氏と別れた」。

始まりの日に人々の嘘によって発生した大災害と混乱の余波で彼氏が死亡しているため、既に死んでいる彼氏と別れていない状態、ずっと一緒に居る状態におかれている。霊体なのか幻覚なのか分からない彼氏といちゃいちゃしながら研究室に居るため周囲から距離を置かれている。彼氏曰く死んでしまったけどそばにいられるので幸せらしい。

だが本当は彼氏などおらず、常日頃から彼女が吐いていた「彼氏が居る」という嘘の上に重ねてつかれた嘘としての「彼氏と別れた」のため、彼女に寄り添っている男性は4月1日以前から実在しなかった人物である。虚言癖がある上に世界が大混乱に陥ってしまったため、彼女は既に何が真実で何が嘘なのか区別できていない。区別する気もない。

 

・友人

主人公の友人。

始まりの嘘は「穏やかに暮らしてえ」。

ちゃんと就職しているため主人公から邪険にされている。常に面白い出来事を求めている上に受難体質で、彼が居る場所に必ずといっていいほどトラブルが舞い込む。そのため主人公が彼と一緒に行動すると確実にひどい目に遭う。

世界破滅戦線という「世界は滅ぶ」と喧伝することであべこべに世界を存続させるための機関とかいう思いつきで社内に出来た変な部署に配属された。苦労人。

始まりの日である最初の4月1日以降に訪れる翌年からの4月1日には、最初の日ほどの因果の強制力は無いものの、それなりに嘘が世界に影響を与えうる期間であることが判明したため、世界を守ろうとする勢力、世界を滅ぼそうとする勢力、自分たちの望む形で世界を変えようとする勢力がこぞって一生懸命に嘘を吐きまくる珍妙な日と化している。最初は選挙カーで騒ぎ立てる程度だったが、次第にエスカレート、あらゆる政府、機関、企業、団体が各々の思惑のために、始まりの嘘によって超能力に等しい因果を得た人物を徴用し、お互いに潰し合う紛争状態となっている。死人も出るのだが、死者を蘇生できてしまうような嘘を吐いた人が結構多かったため、因果的に絶対に死ぬことになった人以外はそこそこ生き返る。

 

・世界破滅戦線

世界を守るための組織。後述する安心教という団体に対抗する人々により結成された。

構成員がみんな常日頃から「もうだめだ!」「おしまいだー!」しか言わない。そう言いながら心の中で必ず現状を打開することができると信じている熱血漢たちの集まり。基本的にみんな普通に勤めているので忙しいため、出動できる人が現場に出向くシステム。世界に存在する殆どの団体内に戦線の部署があり、一種の労働組合のようになっている。

 

・安心教

世界なんか滅べばいいと思っている終末思想者の集い。

「大丈夫」「なんとかなるよ」「元気出して」と言いながら心のなかでみんな死ねばいいと呪詛を吐く、よくそこらに居るような人たちのコミュニティ。

「隕石なんか落ちてくるわけない」と言いながら隕石が落ちてきて街が壊滅したり人類が滅んだりすることを望んでいるため何か余計な嘘をつくたびに災害が発生する。

始まりの日に吐いた嘘も厄介なものである人々が多いため、要注意団体として各国政府からカルト指定を受けている。

 

・エージェント

元殺し屋。

始まりの嘘は「百発百中」。

何回か外したこともあるのに見栄を張ったばかりに、彼が射撃をすると何をどうしても絶対に外れるようになってしまったので廃業した。

破滅戦線に雇われたり安心教に雇われたりして戦場に出てくるが、彼が撃とうとした相手に弾が当たらないのでクソほど役に立たない。

しかし、「狙った相手に弾が当たらない」という因果を逆に利用して、救出したい人質に狙いをつけて乱射することで、人質以外の周囲に居る敵だけを撃ち抜く、という離れ業が行えるため、そういった任務の際には重宝される。「相手の急所を狙う」つもりで撃つと確実に急所を外れるため、生け捕りにしたい場合も便利。本人は納得がいってない。

常に「自分が本当に撃とうとしているものは何か」を意識して精神を集中させないといけないので、ストレスで胃潰瘍になっている。息がくさい。

 

 

 

タイトルは「四月馬鹿大戦」より「最後の春」のほうが良いかなと今思った。