プー

 今日はトランペットの教室に行った。

 

別に今日初めて行ったわけではなくて数ヶ月前から通い始めている。

「トランペットは音が出るようになるまで結構かかります。気長にやりましょう」と脅されて始めたので覚悟していたんですが、思ってたより簡単に音が出て楽しい。でも低い音を出すのが難しい。

運指は覚えたし音も出せるんですが、吹きながら口の開き具合と息の強弱を調整して音を上げたり下げたりするときにどうも音がビビッとなってしまう。

トランペットの音は常に整数倍の倍音が同時に鳴っていて、たとえば100の場合は200,300,400...と鳴っている倍音の中の、どこかにピークの振動数を合わせると、その高さの音が綺麗に鳴る、という仕組みらしい。

なのでマウスピースに押し当てられた唇の振動が、その高さを引き当てられるようになるまで練習する、というのが今の課題なんですが、それにあたって問題点がひとつ出てきました。

吹くときの口の形が間違っているらしい。

間違っているのに下手に音が出てしまっているせいで、正しいフォーム(アンブシュアと呼ぶそうです。管楽器を演奏するにあたって必要な口の形)に矯正する前に変な吹き方で慣れてしまった。

本当は口を横真一文字に結んで軽く閉じつつマウスピースに押し当てるのが正しいんですが、私の場合、閉じた状態で押し当てるとGまでしか音が下がらず、Cの音に吹きながら移行することができません。

なのでCを吹くためについつい口を軽く開けた状態で押し当ててしまう癖があって、確かにそうやることでCは吹けるんですが、そうすると唇が息に押されて動きやすくなり、真一文字ではなく三角形のような開き方になってしまう。

ここでさっきの倍音の話に戻ります。トランペットの音が綺麗に鳴るのは、数ある倍音の中から一つを引き当てているから、でした。

では、最初に唇で発生している振動が、一つでなく、二つ、三つあった場合にはどうなるか。

100と同時に110と120が発生している状態で、300を引き当てようとすると、当然ながら110と120も振動数が変化します。しかも300の変化幅とはブレていくわけです。狙って調整している音とは違う副産物ですからね。100が300に移行しようとする時に、110の音は317、120の音は326、のように狂いが大きくなってしまう。

トランペットに適切なアンブシュアは「唇の振動数が一つである」ことです。なので横に真一文字に結んだ口の形が必要なのですが、私の場合は三角形になっている。当然ながら振動数は最初から複数ありますし、吹きながら変化させていくときにとてつもなく音がブレていってしまうのです。

 

というわけで当面の課題は

「口を軽く結んで閉じた状態でマウスピースに押し当て、その状態からCの音を一発で引き当てる」

「息を強めたときに唇が動かない程度に力を入れつつ、息を吹いたときに自然と唇が空気を通す程度に力を抜く」

です。